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フルフィルメントとは?外部委託のメリットや活用時のポイントを解説

作成日:2023.12.01  最終更新日:2026.07.17

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ECサイトの運営業務におけるフルフィルメントとは、「商品の注文から顧客に届くまでの間に発生する一連の業務プロセス」を指します。ECサイトの運営では、業務の多くを占めるフルフィルメント業務の効率化・質向上が欠かせないため、フルフィルメント業務を代行するサービスを導入することも1つの方法です。

当記事では、フルフィルメントの業務内容やフルフィルメントサービスを利用するメリット・デメリットを紹介します。自社のECサイトをよりよく運用したい方は、ぜひ参考にしてください。

フルフィルメントとは?

フルフィルメント(Fulfillment)とは、「履行」や「実現」という意味がある英語です。ECサイトの運営業務における「フルフィルメント」という用語は、商品が注文されてから顧客の手元に届くまでに発生する一連の業務プロセスを指します。注文後の受注処理や商品のピッキング・梱包、発送などは、フルフィルメント業務と呼ばれる業務内容です。

従来はECサイト運営企業が行っていたフルフィルメント業務を代行するサービスは、「フルフィルメントサービス」と呼ばれます。

フルフィルメントと3PLの違い

フルフィルメントと意味が近い用語には3PLがあります。3PLは「3rd Party Logistics」の略称で、荷主企業の代わりに第三者企業が効率的な物流システムの構築を行い、物流業務の包括的な受託を行う業態のことです。ECサイトの運営企業は、外部の3PL提供事業者に物流業務全体を委託できます。

3PLのメリットは、物流業務を外部に委託することで自社の物流コストを削減できる点です。物流倉庫・トラックといった設備や運送ドライバーを自社で確保する必要がなくなり、浮いたリソースをコア業務に集中させられます。

フルフィルメントと3PLは、サービスが対応している業務範囲に違いがあります。フルフィルメントサービスが対応する業務範囲は、物流業務に加えて、受注時のコール業務や決済業務も含まれる点が特徴です。対して、3PLのサービスが対応する業務範囲は物流業務のみとなっています。

フルフィルメントサービスと3PLは、自社がどの範囲の業務を外部に委託したいかによって使い分けることが大切です。

フルフィルメントが重要な理由

商品の受注から発送・決済までを行うフルフィルメント業務は、ECサイト運営において多くの労力がかかる業務です。ECサイト運営が軌道に乗り、顧客からの注文が増えるほどフルフィルメントの業務量は増えるため、早期に業務効率化を考えなければなりません。

どれほど魅力的な商品をECサイト上に揃えていても、顧客の注文に素早く対応できる体制が整っていないと信頼低下につながります。商品の欠品や梱包・発送のミスが発生すれば、顧客満足度の低下も招くでしょう。

ECサイト運営を成功させるには、業務の大部分を占めるフルフィルメント業務の効率化・質向上が欠かせないことが、フルフィルメントが重要であると言われる理由です。

フルフィルメントの業務内容

フルフィルメントにおける一連の業務内容は、基本的に下記の流れで進みます。

1入荷管理・検品
2商品の保管
3受注処理
4ピッキング・梱包
5発送
6決済業務
7返品処理・顧客対応

「入荷管理・検品」は、仕入れた商品の確認を行う業務です。商品の種類や数量に間違いがないか、品質に問題がないかなどを商品管理システムや検品システムを使用してチェックします。

「商品の保管」は、商品が出荷されるまで管理する業務です。倉庫に商品を保管し、在庫管理システムで適正に管理します。商品の種類によっては温度管理や賞味期限・使用期限の管理も必要です。

顧客からの注文を受けたときは、受注管理システムを使用して「受注処理」を行います。受注処理では、注文方法に合わせた処理対応の実施や、注文状況の確認、出荷指示などを行わなければなりません。

出荷指示を受けた倉庫では、商品を運び出して梱包材で保護する「ピッキング・梱包」を行います。「発送」は梱包後の商品を出荷し、配送管理システムを用いて配送状況の確認や情報共有を行いながら、購入者の手元へと商品を届ける業務です。

また、フルフィルメントでは決済処理の確認や入金管理をする「決済業務」や、返品管理システムを用いた「返品処理・顧客対応」も行います。

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フルフィルメントの種類

フルフィルメントには、自社で対応する方法や外部に委託する方法、複数チャネルに対応する方法などがあります。ここでは、代表的なフルフィルメントの種類を紹介します。

自社フルフィルメント

自社フルフィルメントは、商品の保管、受注処理、梱包、発送、返品対応などを自社で行う方法です。倉庫や人員、在庫管理システムを自社で用意する必要はありますが、業務の進め方を柔軟に調整しやすい点が特徴です。梱包資材や同梱物、発送タイミング、顧客対応まで細かく管理できるため、ブランド体験を重視するEC事業者に向いています。

商品知識を持つスタッフが対応しやすく、問い合わせや返品時にも判断を社内で完結しやすい点も利点です。一方で、注文数が増えると作業負担や保管スペースの確保が課題になりやすいため、一定の出荷量があり、社内に運用体制を整えられる事業者に適した方法です。

外部委託型フルフィルメント

外部委託型フルフィルメントは、商品の保管、受注処理、梱包、発送、返品対応などを物流会社や専門事業者に委託する方法です。自社で倉庫や人員を抱える負担を抑えやすく、出荷量の増減にも対応しやすい点が特徴です。代表的な例には、Amazonが出品者向けに提供するFBAがあり、商品の保管から配送、カスタマーサービスまで任せられます。

物流業務に割く時間を減らし、商品開発や販売促進に集中したいEC事業者に向いています。一方で、委託費用や対応範囲、在庫情報の共有方法、トラブル時の責任範囲を事前に確認し、運用ルールを整えましょう。

マルチチャネルフルフィルメントは、自社ECサイトやECモールなど複数の販売チャネルからの注文をまとめて管理し、出荷する方法です。注文や在庫を一元管理できるため、販売経路が増えても在庫の重複管理や出荷漏れを防ぎやすくなります。Amazon、楽天市場、自社サイトなどを併用するEC事業者に向いています。

一方で、チャネルごとの在庫情報や配送状況を正しく連携できないと、欠品や過剰在庫、発送遅延につながるおそれがあります。導入する際は、受注管理システムや倉庫管理システムとの連携、返品対応の流れまで確認しましょう。販売拡大を見据える事業者にも適しています。

ドロップシッピング

ドロップシッピングは、販売者が自社で在庫を持たず、注文が入った後にメーカーや卸業者などから顧客へ直接商品を発送する方法です。仕入れや保管にかかる初期費用を抑えやすく、在庫リスクを小さく始められる点が特徴です。商品数を増やしやすいため、小規模ECや新規事業のテスト販売にも向いています。

一方で、配送品質や在庫状況、発送スピードを自社で管理しにくく、欠品や配送遅延が顧客満足度に影響する可能性があります。ブランド独自の梱包や同梱物の調整もしにくい場合があります。導入する際は、仕入先の在庫連携や発送ルール、返品対応の範囲を確認しましょう。

フルフィルメントサービスを利用するメリット

ECサイトの運営をするとき、フルフィルメント業務は一般的にフルフィルメントサービスへと外注することが多くなります。フルフィルメントサービス導入は、ECサイトの運営企業にとって多くのメリットがあるためです。

ここでは、フルフィルメントサービスを利用する3つのメリットを紹介します。

配送品質の向上を期待できる

フルフィルメントサービスを提供する事業者はフルフィルメント業務のプロであり、各種物流業務から顧客対応まで豊富なノウハウを持っています。フルフィルメントサービスを利用することで、自社が行う場合よりも物流業務を効率的かつ的確に行えるようになり、質の高いサービスを提供可能です。

商品の受注入力ミスやピッキング作業時の商品取り違えといったミスも、フルフィルメントサービスを利用すれば防ぎやすくなるでしょう。質の高い物流業務は顧客満足度を高めて、EC事業の成長を支えてくれます。

物流コストの軽減を期待できる

フルフィルメント業務を自社で行うと、物流設備の維持管理や人員確保に多くのコストがかかります。フルフィルメントサービスの導入は、設備・人員といった物流コストを削減できる点がメリットです。

フルフィルメントサービスの利用には利用料金がかかるものの、多くのケースで利用料金は保管量や出荷件数、作業内容に応じて変動します。注文が減る閑散期には出荷作業にかかる費用を抑えやすいため、自社で物流設備や人員を確保する場合よりもコストを管理しやすくなるでしょう。

コア業務に集中できる

フルフィルメントサービスに物流を中心とした業務を外注すると、運営企業はマーケティングや販促・企画などのコア業務にリソースを集中できます。

ECサイトの運営企業は、事業の成長に合わせてコア業務に人材・資金といったリソースを割くとともに、増加する顧客の注文にも対応しなければなりません。しかし企業のリソースには限界があるため、ほとんどの業務を自社のみで完結させようとするとリソース不足で事業成長が難しくなるでしょう。

フルフィルメントサービスによりリソースをコア業務に集中させることで、企業はEC事業の成長を促進できます。

フルフィルメントサービスを利用するデメリット

フルフィルメントサービスは便利であるものの、デメリットもゼロではありません。ECサイトの運営企業はフルフィルメントサービスのデメリットも把握した上で、利用するかどうかを考えましょう。

以下では、フルフィルメントサービスを利用するデメリットを3つ紹介します。

サービス利用コストが発生する

フルフィルメントサービスを利用する場合は、保管料、出荷作業料、梱包資材費、返品対応費などの利用料が発生します。物流コストの見直しを目的に導入する場合は、外注費だけで判断せず、自社で対応した場合の人件費、倉庫費、システム費、作業負担と比較することが大切です。

出荷量は季節や販促施策によって変動するため、過去の注文数や繁忙期の出荷件数をもとに試算しておきましょう。サービス利用料が増えても、作業時間の削減や出荷品質の安定につながる場合があります。費用と削減できるコストの両方を確認し、投資対効果を見て判断することが重要です。

物流に関するノウハウが蓄積されない

フルフィルメントサービスを利用すると、フルフィルメント業務全般を外部の事業者に委託するため、物流に関するノウハウが自社で蓄積されません。将来的に物流関連の業務を自社で行う方針に切り替える場合、業務フローの整備が難しくなります。

物流業務を自社で行う際は、業務に必要な設備を用意することはもちろん、物流に精通した人材の育成や業務手順のマニュアル化もしなければなりません。物流に関するノウハウを蓄積したい企業は、フルフィルメントサービスを利用すべきかを長期的な視点で検討する必要があります。

顧客との接点を得づらくなる

フルフィルメントサービスに委託できる業務内容には、受注処理や返品処理・顧客対応といった企業と顧客の接点となる業務も含まれます。フルフィルメントサービスの利用は、顧客との接点を得づらくなる点がデメリットです。

ECサイト運営において、顧客対応業務はサービス改善を進めるための重要なデータ源となります。運営企業が顧客との接点を保てなければ、顧客が抱える不満や要望を把握できなくなり、顧客満足度の低下につながる恐れがあるでしょう。

フルフィルメントサービスを利用する場合は、委託先の事業者から取得できる顧客情報とは別の手段で、顧客との接点を保つことが重要です。

※あくまで顧客対応は自社で行い接点を強化するという事であれば、前述の3PLサービスのほうがメリットがあると言えます。

フルフィルメントサービスを活用する場合のポイント

フルフィルメントサービスを選ぶ際は、料金だけでなく、自社の課題や委託したい業務に合うかを確認しましょう。ここでは、業者選びで確認したい主なポイントを紹介します。

導入する目的を明確にする

フルフィルメントサービスを活用する際は、まず導入する目的を明確にしておく必要があります。コストを最適化したいのか、配送品質を高めたいのか、在庫管理や出荷作業の負担を減らしたいのかによって、選ぶべきサービスは変わります。目的が曖昧なまま委託すると、必要な機能が不足したり、不要なサービスまで契約してしまう恐れがあります。

商品企画や販売促進などのコア業務に集中したい場合も、どの業務を外部化すれば効果が出るのか整理しておきましょう。導入目的を明確にすることで、業者選定時の比較基準も作りやすくなります。

委託したい業務範囲を整理する

フルフィルメントサービスを選ぶ際は、どこまでの業務を委託したいのかを整理しておきましょう。入荷、保管、受注処理、梱包、発送、返品対応、顧客対応など、対応範囲はサービスによって異なります。物流業務だけを任せたいのか、問い合わせ対応や返品受付まで含めたいのかを明確にすると、必要なサービスを選びやすくなります。

また、化粧品や酒類、温度管理が必要な商品などは、事業者によって取り扱い可否が分かれる場合があります。自社の商品や販売体制に合うかを確認し、委託したい業務とサービスの対応範囲にずれがないか事前に見ておきましょう。

料金体系と費用対効果を確認する

料金体系はサービスによって異なるため、契約前に細かく確認しておく必要があります。保管料、出荷作業料、梱包資材費、システム利用料、返品対応費など、どの費用が発生するのかを整理しましょう。

商品サイズや保管方法、出荷件数、繁忙期の在庫量によって料金が変わる場合もあります。外部委託の費用だけを見るのではなく、自社で対応した場合の人件費、倉庫費、資材費、システム費と比較することが大切です。作業負担の軽減や出荷品質の安定も含めて、費用対効果を判断しましょう。複数社から見積もりを取り、条件をそろえて比較すると検討しやすくなります。

サポート体制やトラブル対応を確認する

フルフィルメントサービスを利用する際は、通常時だけでなく、トラブル発生時のサポート体制も確認しておきましょう。問い合わせ方法、対応時間、担当窓口の有無、緊急時の連絡手段などは事前に見ておく必要があります。

配送遅延、在庫差異、誤出荷、返品、クレームなどが発生した場合に、誰がどの手順で対応するのかが曖昧だと、顧客対応が遅れるおそれがあります。カスタマーサポートまで委託する場合は、対応品質がショップの評価にも影響します。契約前に対応フローや報告方法、定期レポートの有無を確認し、自社の運用に合う体制か判断しましょう。

商品の保管環境や物流拠点を確認する

商品の保管環境や物流拠点の場所も、フルフィルメントサービスを選ぶ際に確認しておきたいポイントです。食品、化粧品、衣料品などは、温度や湿度、衛生管理の状態によって品質に影響が出る場合があります。常温保管だけでなく、定温、冷蔵、冷凍などに対応できるかを確認しましょう。

また、物流拠点の場所は配送スピードや送料にも関わります。主要な配送先から遠い拠点では、納期やコストに影響する可能性があります。可能であれば倉庫の管理体制やセキュリティ、個人情報の取り扱い、現地見学の可否も確認し、自社の商品を安心して預けられる環境か判断することが大切です。

まとめ

フルフィルメントとは、ECサイトの運営業務において商品の発注から顧客の元に商品が届くまでの一連の業務プロセスを指します。顧客からの注文が増えるほど業務量は増えるため、外部に委託するなどしてフルフィルメント業務の効率化を図るとよいでしょう。

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