ECサイトを運営する上で悩む点として、誤出荷を挙げる方もいるでしょう。誤出荷が起きるとクレーム対応に追われるだけでなく、悪いレビューが付き、顧客離れが起きることから、ECサイトの運営者にとって誤出荷率の改善は重要事項です。誤出荷はヒューマンエラーが原因で起こるため、原因を知り適切な対策を打てば誤出荷率の低下につながるでしょう。
この記事では誤出荷が起こる7つの原因や、誤出荷によって起こりうる悪影響、誤出荷を改善する対策方法を徹底解説します。
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誤出荷を改善する対策方法9選|ミスが起きる原因も徹底解説
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2024.04.01
目次
倉庫で起こる誤出荷とは
誤出荷とは、商品や数量を間違えて出荷したり、出荷先を間違えたりすることです。
昨今では出荷作業の自動化が進められているものの、人が担っている部分も多く、ヒューマンエラーが発生しやすいという課題があります。特にカラー展開やサイズ展開などバリエーションが多い商品を発送する際や、複数の宛先への出荷業務を並行して行う場合などに、誤出荷が起こりやすいと言えます。
人の手による作業工程がある以上、ヒューマンエラーをゼロにするのは困難です。しかし、誤出荷が発生すると顧客に迷惑がかかり、トラブルに発展する恐れがあります。同時に会社の信用も揺らぎ、顧客が離れたり、利益が減少したりといった事態にもつながりかねません。そのため、誤出荷を未然に防ぐ取り組みを行うことが重要です。
誤出荷率は0.001%(10万件の出荷に対して1件)以内に抑えるのが理想とされています。誤出荷率は「誤出荷件数÷出荷受注数」の計算式で算出可能です。例えば、出荷受注数100個のうち誤出荷件数が2件だった場合、誤出荷率は2÷100=0.02で2%となります。
誤出荷の原因7つ
誤出荷の原因について知れば、適切な対策を講じることが可能です。誤出荷の主な発生原因として以下の7つが挙げられます。
- 入荷~保管の間のミス
- 商品の取り違え
- ピッキングミス
- 数量の間違い
- 宛先・納品書の付け間違い
- 出荷指示の抜け漏れ
- 検品不足
それぞれの原因について詳しく解説します。
入荷~保管の間のミス
商品を入荷~保管するタイミングで発生したミスが、誤出荷の直接的な原因となるケースもあるため注意が必要です。
在庫管理は、入荷した商品を正確に保管することから始まります。現品と納品書を照合して商品が正しく入荷されたかを確認し、適切な場所に格納して、在庫管理表などに情報を入力するというのが大まかな流れです。
入荷~保管の間で起こりやすいミスとして、入荷した商品を、本来格納すべきロケーション(棚)ではなく似た商品を保管する別の場所に入庫することが挙げられます。また、在庫の数え間違いも発生しやすいため注意が必要です。入荷~保管の間のミスは、特にロケーション管理が煩雑になっている場合に発生しやすい傾向があります。
商品の取り違え
商品の取り違えは、誤出荷の原因の中でも多い問題です。商品の見た目だけを頼りにピッキングした場合、品番や色・形の違いを見落としてミスが発生します。特にカラーバリエーションやサイズ展開が豊富な商品では、しっかりと比較しない限り違いを判断できないケースも多く、取り違えにつながりやすい傾向があります。
しかし、メーカー品番と商品名を元にピッキングを行い、色やサイズの判別は作業者の目に頼る事業者も少なくありません。商品の取り違えによる誤出荷を減らすためには、誰が作業にあたっても正確にピッキングできるルールを導入する必要があります。
ピッキングミス
ピッキングは、ピッキングリストに基づいて必要な品物を集めるというシンプルな作業です。しかし、単純作業ゆえに作業者それぞれが独自のルールに基づいて作業をするケースが多く、ミスが発生しても原因の特定が難しい点が問題となっています。
ピッキングでは、以下のような原因によりミスが発生しやすい傾向があります。
- ピッキングリストが情報過多で分かりにくかった
- 似た情報と見間違えた
- 前後情報と混同した
- 経験による思い込みに基づいて作業した
- 確認作業を怠った
数量の間違い
発注された数量と実際の出荷数を間違えるケースも少なくありません。例えば、ほとんどの顧客が1点のみ発注する商品において、1人だけ2点発注したとします。すると、1点のみの出荷作業に慣れた作業者が思い込みから数量を間違え、1点のみで出荷してしまう場合があります。新人作業者だけではなく、中堅やベテラン作業員でも起こりやすいミスです。
同一商品の購入数量が多い場合、途中でどこまで数えたかが分からなくなり、ミスにつながることもあります。また、作業員がうっかり数を飛ばしたり、手元を無意識に動かしたりしている場合は間違いを自覚できず、誤出荷につながるため注意が必要です。
宛先・納品書の付け間違い
送り状伝票を手書きで作成している事業者の場合、納品先の住所や宛名の書き間違いによって誤出荷が発生することがあります。送り状伝票をデジタル処理している場合でも、入力作業のミスによる誤出荷が発生する可能性はゼロではありません。また、ピッキングや梱包作業、送り状伝票の作成がすべて正しく行われていても、送り状伝票を間違った荷物に貼付した場合、誤出荷につながります。
出荷作業において、送り状伝票は納品書と一緒に印刷してセットで管理するのが一般的です。しかし、何らかの理由でクリップなどが外れ、ほかの納品書とセットになってしまい、貼り間違いにつながるケースもあります。同じ作業スペースで複数の作業をした場合、送り状伝票と納品書が混ざってしまい、どれがセットなのか分からなくなるケースもあるため要注意です。
出荷指示の抜け漏れ
ピッキングリスト自体に抜け漏れがあると、例え出荷作業が正確に行われても誤出荷が発生してしまいます。出荷作業者だけではなく、出荷指示を出す受注管理側もミスがないように細心の注意を払うことが大切です。
ただし、受注管理ではエンドユーザーからのさまざまな要求に手管理で応える必要があるため、出荷指示ミスをゼロにするのはかなり難しいと言えます。電話注文、FAX注文、不良対応などに応じて、受注処理をその場その場で手入力するケースも多く、ヒューマンエラーが発生しやすいのが実情です。
検品不足
検品は基本的に人が行い、機械による自動化が進んでいる企業でも最終的には人がチェックすることになります。しかし、目視による検品では商品の色やサイズなどの見落としが起こる可能性があり、間違いに気づかないまま出荷されるケースも少なくありません。
また、正しい商品を正しい購入者に送る状況でも、検品不足によって以下のような問題が発生する場合があります。
- 商品の破損
- 汚れの見落とし
- 異物混入
- 沈殿物の見落とし
- 賞味期限、消費期限、使用期限切れの見落とし
誤出荷を増やすヒューマンエラーの原因
誤出荷は作業手順の問題だけでなく、現場で働く人の心理や環境に起因するヒューマンエラーによって増加します。人はどれだけ経験を積んでも、注意力や判断力に限界があります。倉庫現場では、思い込みや疲労、情報共有の不足などが重なり、小さな確認漏れがきっかけとなって誤出荷が発生します。
ここでは、よくあるヒューマンエラーの原因について詳しく解説します。
思い込みによるミス
思い込みは、過去の経験や先入観に基づく誤った判断から生じるヒューマンエラーです。倉庫現場では、同じ商品を長期間扱っていると「いつも通りだから問題ないだろう」と無意識に判断してしまいがちです。その結果、ロケーション変更や品番変更などのイレギュラーに気づかず、誤出荷が発生します。さらに、繁忙期などで出荷量が増えると、確認よりもスピードを優先する心理が働きやすくなります。
思い込みによるミスは本人に悪意がなくても発生するため、属人的な注意喚起だけでは防げません。チェックリストの徹底やバーコード照合の義務化など、機械的に確認できる仕組みを整えることが大切です。
長時間の業務による集中力の低下
長時間の業務は、集中力と判断力を確実に低下させます。繁忙期の倉庫では出荷量が急増し、休憩が不十分なまま作業を続けるケースも少なくありません。その結果、品番や数量の確認が甘くなり、誤出荷につながります。特に単調なピッキング作業は注意力が低下しやすい工程です。
人間の集中力は長時間維持できるものではなく、一定時間を過ぎると認知機能が低下すると言われています。疲労が蓄積すると、確認作業を省略しやすくなり、小さな違和感に気づきにくくなります。適切な休憩時間の確保やシフトの分散、繁忙期の応援体制構築など、組織として労働時間を管理することが誤出荷防止につながります。
不注意による見落としや漏れ
不注意は、確認不足や情報の見落としによって発生する代表的なヒューマンエラーです。工程が複雑で分かりづらい場合や、不要な手順が多い現場では、作業者の注意力が分散しやすくなります。その結果、納品書の確認漏れや数量の入力忘れなどが起こります。
特にアナログ管理が多い倉庫では、記入漏れや転記ミスが発生しやすい傾向があります。また、似たようなパッケージや型番が並ぶ棚では、視覚的な誤認も起こりやすくなります。
工程設計が複雑なままだと、作業者の注意力に過度に依存する体制となり、ミスの再発を防げません。工程の簡素化や表示の明確化、ダブルチェック体制の導入など、作業そのものを分かりやすく設計することが大切です。
指示の伝達ミスや情報共有の不足
指示の伝達ミスや情報共有の不足は、業務の抜け漏れを引き起こします。口頭だけの曖昧な指示や、変更内容の共有不足は、誤った商品出荷や配送先ミスにつながります。複数人が関与する倉庫業務では、報告・連絡・相談の徹底が不可欠です。例えば、出荷締切時間の変更が一部の担当者にしか伝わっていない場合、対応漏れが発生します。
さらに、Excelや紙の指示書を個別管理している場合、最新版が共有されていないこともあります。情報の一元管理ができていない環境では、確認の手間が増え、誤認が起きやすくなります。チャットツールや倉庫管理システムを活用し、情報をリアルタイムで共有できる体制を整えることが、誤出荷の予防につながります。
知識や経験の不足
知識や経験の不足は、正しい判断や作業ができないことから誤出荷を招きます。新人や部署異動直後の従業員は、商品の特性や倉庫ルールを十分に理解していない場合があります。その状態で即戦力として現場に入ると、誤ったロケーションから商品を取り出すなどのミスが発生します。教育やOJTが不十分な場合、同様のエラーが繰り返されてしまいます。
また、マニュアルが整備されていない現場では、口頭伝達に依存するため理解度にばらつきが出ます。経験者の感覚に頼った運用は、新人にとって再現性が低いため、標準作業書の整備や定期的な研修、理解度テストの実施など、体系的な教育体制を構築することが大切です。
作業環境の悪さによる疲労
作業環境の悪さは、従業員の疲労を蓄積させ、作業精度を低下させます。倉庫内が暑すぎる、寒すぎる、照明が暗い、騒音が大きいといった環境は、集中力を奪います。特に夏場や冬場は体調不良を招きやすく、判断ミスや確認漏れが増加します。作業スペースが狭い場合も、物理的な取り違えが起こりやすくなります。
さらに、長時間立ち作業が続く床環境や、空気の流れが悪い環境も疲労を助長します。疲労は自覚しにくい場合も多く、気づかないうちに確認作業が甘くなることがあります。空調や照明の改善、動線の最適化、適切な休憩スペースの確保など、作業環境の整備は誤出荷対策の基礎となります。
生産性を重視した結果の近道や省略
生産性を過度に重視すると、本来必要な工程を省略する「近道行動」が発生しやすくなります。出荷件数や処理スピードの数値目標だけが強調される環境では、従業員に強いプレッシャーがかかります。その結果、二重チェックを省いたり、バーコード照合を簡略化したりする行動が起こります。
短期的には作業時間を短縮できても、誤出荷が発生すれば返品対応や再配送のコストが増加します。ECサイトの評価低下にも直結するため、結果的に生産性は下がります。効率化は重要ですが、確認工程を前提とした標準作業を守る体制づくりが不可欠です。
職場の集団欠陥
職場全体の意識や風土が誤出荷を増やす場合もあります。安全や品質よりも売上やスピードが優先される雰囲気が強いと、確認作業が軽視されがちです。周囲がミスを指摘しにくい環境では、小さな誤りが見過ごされ、重大な誤出荷につながります。
集団欠陥は個人の問題ではなく、組織文化の問題です。誤出荷が発生した際に原因を個人へ押し付ける体制では、再発防止は困難です。品質を重視する方針を明確にし、ヒヤリハットの共有や改善提案を歓迎する風土を作りましょう。管理者が率先してルールを守り、品質向上を評価する仕組みを整えることで、誤出荷の発生率を下げられます。
慣れによる手抜き
業務に慣れること自体は重要ですが、慣れは確認の省略を招くことがあります。長年同じ作業を続けると「問題は起きない」という過信が生まれます。その結果、本来必要なダブルチェックや数量確認を形式的に済ませてしまいます。
特にベテラン従業員は経験が豊富な分、自分の判断を優先しやすい傾向があります。しかし、倉庫業務は日々条件が変化します。キャンペーンによる特別梱包やセット商品の増加など、通常と異なる対応が発生する場面もあります。手順を守る文化を徹底し、定期的なルール確認や担当業務のローテーションを行うことで、慣れによる手抜きを防止できます。客観的なチェック体制を維持することが大切です。
イレギュラーによるパニック
事故や急な出荷変更などのイレギュラーが発生すると、現場は混乱しやすくなります。人は予測外の事態に直面すると判断力が低下し、通常なら行う確認を忘れてしまいます。その結果、誤った商品を出荷するなどのヒューマンエラーが発生します。
特にシステム障害や配送トラブルが同時に発生した場合、焦りがミスを連鎖させます。場当たり的な対応ではなく、緊急時のマニュアルや連絡体制を事前に整備しておくことが大切です。定期的に想定訓練を実施し、誰がどの役割を担うかを明確にしておけば、パニックによる誤出荷を抑制できます。
従業員の加齢に伴う機能低下
加齢に伴い、記憶力や視力、判断速度が徐々に低下することがあります。倉庫業務では細かな品番確認や数量確認が求められるため、機能低下が誤出荷につながる可能性があります。特に似た型番の商品を扱う場合、視認性の低下は見間違いを引き起こします。
一方で、高齢の従業員は豊富な経験や判断力という強みを持っているので、その強みを生かしつつ、作業を補助する仕組みを整えることが大切です。大きな文字表示のラベルや音声案内付きシステムの導入、複数人体制での確認など、能力を補完する環境整備が効果的です。
メンタルヘルスの影響による判断ミス
職場や私生活で強いストレスを抱えると、集中力や判断力が低下します。メンタルヘルスの不調は外見から分かりにくく、本人も自覚していない場合があります。その結果、確認漏れや数量ミスといった誤出荷につながることがあります。
長時間労働や人間関係の問題が続く環境では、心理的負担が蓄積します。心理的安全性が低い職場では、ミスを報告しづらく、問題が表面化しにくい傾向があります。定期的な面談や相談窓口の設置、業務負荷の平準化など、組織として従業員の心身を支える体制が大切です。従業員の健康管理は、誤出荷防止と品質維持の基盤でもあります。
誤出荷によって受ける悪影響
誤出荷を繰り返した場合、顧客からのクレーム対応が必要になるだけでなく、卸の場合は取引先との商談停止や取引の終了、取扱い縮小などのリスクが高くなります。加えて、以下のような悪影響を受ける可能性が高いため注意が必要です。
個人情報や重要情報の漏洩につながる
ECサイトなどの場合、納品書や送り状伝票に記載される氏名・住所・電話番号は個人を特定し得る情報です。取引先であれば、注文した商品内容などの社内情報は重要情報にあたる可能性があります。誤出荷が発生すると、第三者に本来知り得ない情報が伝達されることになり、個人情報や重要情報の漏洩につながるため注意が必要です。個人情報や重要情報が渡った第三者が悪意ある人物だった場合、得た情報を利用して本来の注文者になりすますなどの犯罪行為を行う可能性も考えられます。
なお、配送事業者の誤出荷によって個人情報が漏洩した場合、配送事業者を利用した個人情報取扱業者が報告義務を負います。自社だけでなく取引先にも大きな迷惑をかける点に注意し、万が一誤出荷が起きたときは速やかに情報を共有しましょう。
取引先・顧客の信頼を失う
卸の場合、取引先は正しい商品が希望の日時に問題なく届くことを前提に発注します。商品を急ぎで使用する予定があり、指定した日付に届かなければ問題が生じるというケースも少なくありません。そのため、一度でも誤出荷を起こすと取引先からの信頼度は著しく下がります。
また、誤出荷が発生した場合はクレーム対応や返品対応、正しい商品の再送などに時間や労力を割く必要があり、売上機会を損失します。取引先から「取引アイテムを増やすとその分トラブル対応が大変になる」と思われた場合、将来的な顧客との取引機会も失うことになるでしょう。
ECサイトの場合、誤出荷を繰り返せばレビューの悪化やショップの評価低下が発生し、まだ利用していない顧客からの信用も失うことになります。
無駄なコストが発生する
誤出荷が発生した場合、以下のような対応が必要になり、相応の時間的・金銭的コストがかかります。
・クレーム対応
誤出荷が発生した際には、状況確認や取引先からのクレーム対応など、イレギュラーな業務が必要になります。通常業務が滞り、残業代など追加の人件費がかかるケースも少なくありません。
・正しい商品の再発送
誤出荷した際には正しい商品を再発送する必要があります。当然送料は発払いになり、その分利益は下がります。
・返送料金の負担
誤出荷した商品を取引先から返送してもらうための送料も事業者負担です。
・回収した商品への対応
返送された商品が再販売できない状態の場合、当該商品を購入した費用も無駄になります。
・在庫の修正
出荷商品の数量を間違えた場合、帳簿上の在庫数と実際の在庫数とが合わなくなり、原因究明に多大な時間と労力がかかるでしょう。
誤出荷を改善するのに有効な対策9選
誤出荷を改善するためにできることは数多くあります。ただし、現場の担当者に確認を任せるだけの対策では誤出荷を効果的に減らせません。作業員が自然と業務ルールを守って作業できるようなフローの改善が重要となります。
特に、以下の9つの対策方法は、誤出荷を改善するのに有効です。
倉庫のロケーションを工夫する
誤出荷を防ぐために、まずは在庫を整理整頓し、倉庫のロケーションを見直すことが大切です。特に類似商品を近くのロケーションに配置している場合、ピッキングのミスが発生しやすくなります。作業に慣れてくると、必要な照合作業を行わず、商品自体の見た目だけで判断してピッキングを行いやすいためです。
商品カテゴリや商品番号を基準に保管場所を決めている事業者も多いものの、必ずしも商品番号順に商品を保管する必要はありません。類似商品はあらかじめ離れた場所に配置するなど、誤出荷防止を優先してロケーションを考えるのがおすすめです。
また、コスメグッズなどの細かい商品を取り扱う場合は、別々の商品同士が混ざらないよう、仕切りやパーテーションで区分けするとよいでしょう。
作業手順やマニュアルを見直す
作業手順が作業員に委ねられていると、一人ひとりが自分の感覚で倉庫作業をすることになり、進捗管理や問題発見が難しくなります。作業手順を統一して、ベテランから新人まで誰が見ても分かるようにマニュアル化しましょう。
作業手順やマニュアルを明確にすると、新人教育がしやすくなる点も大きなメリットです。マニュアルを見て誰でも作業できるような仕組みができれば、新人スタッフも即戦力として稼働が可能になります。ベテラン作業員が感覚で進めていた作業を、可能な限り言語化することを意識しながらマニュアル化するとよいでしょう。
また、誤出荷を減らすためにはダブルチェックの体制を導入することも大切です。人員に余裕がない場合は、1人で時間を空けて2回チェックするという方法もあります。
誤出荷が起きたときの原因究明ルールを作る
誤出荷が発生したときに、早急に原因を究明し、再発防止策を講じるためのルールを作ることが重要です。運よく大きな問題にならなかった場合でも、「ミスがあった」で終わりにはせず、逐一報告・原因究明を行う必要があります。
「ハインリッヒの法則」によると、1件の重大事故の背景には軽度な事故が29件あり、その背景にはさらに300件のヒヤリハットがあるとされています。明らかな事故だけではなく、ヒヤリハットの段階で報告・原因究明をしっかり行うことが、重大事故を起こさないためのポイントです。
ただし、ミスの報告を処罰の対象にしていると、作業員は報告を避けるようになります。原因究明を徹底する際には、同時に失敗を責めない組織作りを行うことが大切です。
過去に起きたミスやヒヤリハットを教育に生かす
誤出荷の再発を防ぐためには、過去のミスやヒヤリハット事例を教育に活用することが大切です。ヒヤリハットとは、重大な事故には至らなかったものの、一歩間違えれば大きなトラブルにつながった事例を指します。
倉庫現場でも、品番の取り違えに気づいて直前で修正した事例などは貴重な学習材料です。発生状況や原因、改善策を記録し、定例ミーティングや研修で共有することで、同様のミスを未然に防げます。個人の反省で終わらせず、組織の知見として蓄積する仕組みづくりを行いましょう。
職場のコミュニケーションを改善する
誤出荷の防止には、職場内の円滑なコミュニケーションが欠かせません。出荷指示の変更や在庫情報の更新が適切に共有されないと、確認漏れや誤認が発生します。日常的に相談しやすい環境を整えることで、業務の抜け漏れを減らせます。
具体策としては、1on1ミーティングの実施や、部署を越えたランチ交流などがあります。メンター制度を導入すれば、新人が疑問を気軽に相談できる環境が整います。また、定期的な社内イベントは組織の一体感を高め、報告・連絡・相談をしやすくするでしょう。コミュニケーションの活性化は、誤出荷防止の土台となります。
従業員のメンタルヘルスや疲労対策を行う
従業員の心身の健康管理は、誤出荷防止に直結します。暑さや寒さ、騒音、照明不足などの環境は疲労を蓄積させ、集中力を低下させます。倉庫では空調や遮熱対策、十分な休憩時間の確保が大切です。温度管理や作業環境の改善は、生産性向上にも寄与します。
また、心理的ストレスも判断力を鈍らせます。定期的な面談や相談窓口の設置により、従業員が悩みを抱え込まない体制を整えましょう。健康経営の視点で労働環境を整備することは、誤出荷率の低減と離職防止の両面で効果があります。
システムの活用で業務を改善する
誤出荷対策として、システムの導入は有効な手段です。ただし、導入するだけでは効果は限定的です。従業員への十分なトレーニングと、業務プロセスの見直しが不可欠です。システム前提の業務フローに再設計し、属人的な作業を標準化する必要があります。
さらに、自社の商材や出荷形態に合ったシステムを選定することも大切です。段階的に試験導入し、現場での使い勝手を検証してから本格展開することで、導入リスクを抑えられます。人とシステムを組み合わせた運用体制が、誤出荷防止のポイントです。
作業スペースを十分に確保する
作業スペースが不足していると、商品の取り違えや衝突などの物理的ミスが起こりやすくなります。整理整頓を徹底し、不要在庫を減らすことで、スペースを有効活用しましょう。
ロケーション管理の見直しやラックの高層化もスペース確保のための有効な対策です。固定ロケーションとフリーロケーションの使い分けにより、保管効率を向上できます。また、動線を考慮したレイアウト設計は作業効率と安全性を高める効果もあります。
十分なスペース確保は、誤出荷防止に不可欠です。
物流業務をアウトソーシングする
自社での誤出荷対策やWMSの導入が難しいEC事業者の場合、物流業務のアウトソーシングがおすすめです。物流のプロに委託することで誤出荷を防止できるのはもちろん、EC事業者は本業である重要な企画や販促事業に専念でき、事業のさらなる成長を目指せます。
物流業務のアウトソーシング先を探す際には、自社商品と同様の商品を取り扱っている倉庫を選ぶと安心です。拠点の場所だけではなく、実績や対応力などをよく確認した上で検討しましょう。
誤出荷対策に使えるシステム
誤出荷を減らすためには、作業者の注意力や経験だけに頼るのではなく、仕組みでミスを防ぐことが大切です。特にECサイトでは出荷件数が増加しやすく、人手による確認だけでは限界があります。そこで有効なのが、ピッキングや検品、在庫管理を支援する各種システムの活用です。
ここでは、誤出荷対策として活用できる代表的なシステムを紹介します。
ピッキングシステム
ピッキングをすべて人が担っていると、ヒューマンエラーが発生しやすく、誤出荷の元になります。そこで、ピッキング作業を効率化する「ピッキングシステム」を活用するのがおすすめです。
ピッキングシステムには、大きく分けて以下の2種類があります。
- 人のピッキング作業を補助するシステム
- ピッキング作業そのものを自動化するシステム
前者には、デジタルピッキングや音声ピッキングなどがあり、棚のランプ表示や音声指示によって正しい商品と数量を作業者に知らせます。後者には、自動倉庫や搬送ロボットなどがあり、人的作業を大幅に削減できます。
ピッキングシステムを活用すると、人の手による作業ミスを減らせるだけではなく、業務効率が上がって生産性が向上する点が大きなメリットです。また、作業員の負担軽減や人件費削減にもつながります。繁忙期でも精度を維持しやすく、安定した出荷体制を構築できます。
検品システム
大量の商品を目視で検品するのは難しく、ミスが発生するケースも少なくありません。ピッキングと同じく、検品作業もシステム化すればミスの削減や業務効率の向上を図ることが可能です。
検品作業のシステム化の例として、ハンディターミナルの活用が挙げられます。商品にバーコードやQRコードを貼付し、ハンディターミナルで読み取るだけで検品できるため、検品ミスの確率は大幅に下がり、作業員の業務負担も軽減します。出荷指示データとリアルタイムで照合できるため、数量違いや品番違いをその場で防止できます。
さらに、検品データを蓄積・管理するシステムを導入すれば、誤出荷が発生した場合の原因分析も容易になります。検品履歴を可視化することで、改善ポイントの特定や教育への活用も可能です。
WMS(倉庫管理システム)
手作業による誤出荷が多い場合、WMS(倉庫管理システム)の導入が対策として有効です。WMS(Warehouse Management System)とは、商品の入出庫管理や在庫管理を行うシステムを指します。ロケーション管理や入荷・出荷管理、ロット管理、棚卸管理、納品書作成など、倉庫業務を幅広く支えるシステムです。
WMSを導入することでヒューマンエラーを削減でき、煩雑な業務や返品などのイレギュラーな対応も効率的に進められるようになります。また、倉庫内の商品の動きをリアルタイムで可視化でき、商品違いや数量違いにもすぐに気づける点が大きなメリットです。
さらに、出荷指示からピッキング、検品までを一元管理できるため、情報の分断を防げます。WMSにはさまざまなタイプがあり、中には賞味期限やロット番号を管理できるものもあります。取り扱う商品や業務規模に適したWMSを選定することが、誤出荷防止の効果を最大化するポイントです。
RFID
RFID(Radio Frequency Identification)とは、電波を用いてRFタグのデータを非接触で読み書きする自動認識システムです。バーコードのように1つずつスキャンする必要がなく、電波が届く範囲であれば複数のタグを一括で読み取れる点が特長です。タグが離れた場所にあっても読み取りが可能で、高所の商品や大量在庫の確認にも適しています。
RFIDは、箱の中にある商品やテープで覆われたタグも読み取れるため、開封や目視確認の手間を減らせます。棚卸作業では、バーコード運用と比較して大幅な時間短縮が期待できます。入荷検品や固定資産管理など幅広い用途で活用が進んでおり、誤出荷防止と業務効率化の両立を実現できる技術です。
物流業界向けERP
ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業の在庫、販売、経費、人事などの経営資源を一元管理するシステムです。物流業界では、在庫や配送状況を正確に把握し、業務全体の効率化と情報共有を支える役割を果たします。個別システムで管理していると発生しやすいデータの不一致や二重入力を防げる点が特長です。
物流向けERPは、在庫管理や倉庫管理、配送計画、データ分析など多機能を備えています。リアルタイムで在庫状況を確認できるため、過剰在庫や欠品のリスクを抑えられます。また、配送ルートの最適化や進捗の可視化により、誤出荷や納期遅延の防止にもつながります。業務データを統合的に管理することで、誤出荷対策と経営判断の精度向上を同時に実現できる点が大きな強みです。
まとめ
誤出荷を繰り返すとECサイトの場合はレビューの悪化や利用者の減少が起き、将来的な顧客を失う上にクレーム対応のために無駄なコストも生まれます。
誤出荷率が高い場合は原因究明を徹底し、工場のロケーションや作業手順・マニュアルを見直しましょう。ピッキングシステムの活用や検品作業のシステム化、WMSの導入なども効果的です。
システム導入など誤出荷対策に大きなリソースを割く事が難しい場合は、ロジモプロのような物流業務のプロフェッショナルに業務をアウトソーシングするのも一つの手です。
ロジモプロはEC・通販物流代行サービスのパイオニアとしてノウハウを20年以上積み上げてきた「株式会社清長」が運営しており、販売チャネルを問わず利用できます。誤出荷にお悩みの方は、ぜひロジモプロにご相談ください。







