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EC物流とは?入庫から配送後までの仕組みや特徴について解説

  • #EC物流
  • #発送代行

2023.12.15

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EC事業における商品の仕入れから出荷までの物流システムを「EC物流」といいます。EC物流の業務内容は、おもに「入庫・検品」「棚入れ」「ピッキング・流通加工」「梱包・出荷」です。

当記事では、EC物流の特徴や業務の仕組み・流れにくわえて、EC物流が抱えている課題と、その改善方法などについて解説します。これからEC事業の立ち上げを検討している方は、実店舗と異なる点も含めてぜひ参考にしてください。

EC物流とは?

EC物流とは、EC事業を運営する会社が商品を仕入れて出荷する、一連の物流システムのことです。ECは「electronic commerce」の略で、日本語では「電子商取引」と呼びます。

EC物流の業務は、オンライン取引で購入された商品を配送するだけではありません。商品の仕入れ・保管・情報管理といった業務も含まれるため、運営が実店舗よりも複雑になりがちです。EC物流の具体的な内容や課題を知ることで、業務の効率化を図れます。

EC物流業務の仕組みと入庫から配送後までの流れ

EC物流の業務は、入庫・検品、商品の管理、ピッキング、出荷など多様です。ここからは、EC物流の仕組みと実際の業務に沿った流れを解説します。EC物流業務について順を追って説明するため、業務の全体像をつかみましょう。

入庫・検品

EC物流業務では、まずサイトで取り扱う商品の仕入れを行います。入庫の際に重要なのは「どの商品がいつ・どのくらい必要か」を過去のデータや市場から分析し、適切な数量・タイミングで仕入れることです。

商品が届いたら、数量や品質に問題がないか検品を行います。検品を疎かにした場合「商品の情報管理が正確にできない」「不良品を発送してしまう」といった問題が発生しかねません。多くの商品を扱う場合は、ライン作業を取り入れるなど、ミスを防ぐシステムを導入する必要があります。

始めの入庫・検品でミスが発生すると以降の工程の全てに影響するため、最も厳重に行うべき作業と言っても過言ではありません。

棚入れ(商品の保管・管理)

棚入れで重要なのは、出荷までベストな環境を維持するために、商品に合わせた方法で保管することです。例えば、賞味期限がある食品を扱う場合、期限切れを起さないように情報管理する必要があります。

不適切な環境で保管していると、商品の破損や劣化により出荷できず、処分しなければなりません。取り扱う商品の種類や量が多い場合、紛失のリスクもあるため、物流管理を徹底して損失を防ぎましょう。

ピッキング・流通加工

注文が入ると、ピッキングや流通加工を行い、発送準備を進めます。ピッキングは、注文書を元に保管場所から商品を取り出し、検品する作業です。流通加工は「値札を付ける」「ブランドロゴのラベルを貼る」といった作業のことです。必要に応じて小冊子やサンプル品を付けたり、ラッピングしたりするのも流通加工にあたります。

ピッキング・流通加工は、商品をベストな状態で届けるために重要な作業です。作業を迅速かつ正確に行うため、管理ソフトなどを用いる方法もあります。

梱包・出荷

梱包作業では、商品に適したサイズの箱を用い、必要に応じて緩衝材を詰め、破損を防ぎます。出荷が指定日時に間に合うように、余裕をもって梱包や発送処理を終えておくことが重要です。商品によっては「ワレモノ注意」や「下積厳禁」のラベルを貼ると、配送時の破損を防げます。

商品の破損や到着の遅延はクレームの原因になるため、商品の詰め方に注意してスピーディな発送を徹底することが大切です。

EC物流の4つの特徴

EC物流には、実店舗とは異なるさまざまな特徴があり、EC物流特有の対応を求められる場合があります。以下で解説するEC物流の4つの特徴について把握し、EC物流業務の質向上につなげましょう。

商品数が少なく配送先が多い

EC物流は、一般消費者向け(BtoC)の売買が多く、企業向け(BtoB)の取引は少ない傾向にあります。一般家庭で使用する分だけ商品が購入されるため、1件あたりに発送する数は少なく、配送先は多い点が特徴です。

配送先が多いメリットは、全国や海外の顧客を獲得できることが挙げられます。商品の在庫管理を徹底し、発送までのプロセスを明確にすると、迅速かつ正確な配送につながるでしょう。

商品のギフト対応が求められる

ECサイトの商品は、贈り物としての需要が高く、ギフト対応が求められるケースが多い傾向にあります。ラッピングや熨斗の対応、メッセージカードを添付するなど、ギフト対応に力を入れるとギフト需要の顧客を獲得できます。

ギフト対応は注文後に個別で行うため、ヒューマンエラーが起こりやすいサービスです。「氏名の漢字をチェックする」「熨斗の種類を適切なものにする」など、間違いがないよう細心の注意を払う必要があります。

商品の受け取り方法や配送スピードが重要

商品の受け取り方法が複数あることや配送スピードが速いことは、EC物流を成功させる上で重要なポイントです。

受け取り方法には、宅配ボックス・置き配・コンビニ受け取り・宅配ロッカーなどさまざまな種類があります。利用者の希望に合わせた配送ができるよう、柔軟な対応を検討しましょう。

配送には、スピーディな対応が求められます。消費者にとって「商品の当日・翌日発送に対応しているか」という点は、利用するECサイトを選ぶ上で重要なポイントの1つです。迅速に配送するためには、作業の効率化や配送業者との連携が欠かせません。

実店舗に比べて返品対応が多い傾向

EC物流では、実店舗の販売に比べ返品・交換の対応が多くなりがちです。オンライン取引がメインとなるネットショップでは、写真や動画を見て商品を購入するため、イメージと現物が違うケースやサイズ間違いなどが起こりやすいと言われています。

スムーズな返品対応は、EC事業者のイメージアップと顧客満足度の向上につながります。返品・交換に素早く対応できるよう「問い合わせ窓口を明確にする」「返品理由をデータ化・分析する」といった対策を講じましょう。

EC物流が抱える課題

EC物流には、以下の課題があります。

  • 人材の課題
    EC物流は繁忙期と閑散期の差が大きく、人材の確保が難しい分野です。例えば、季節商品を扱う場合、該当のシーズンのみ需要が大きくなり、人手不足になります。一方で、閑散期には売上が伸びず人手もいらないため、人材の確保と育成が困難です。
  • サービスの課題
    商品によっては流通加工やギフトサービスの対応が求められるため、扱う商品が増えるほど作業負担が大きくなります。商品の返品・交換などイレギュラーな対応も多く、スピードと正確さを保つのは容易ではありません。
  • 在庫管理の課題
    商品の種類や数が増えるほど、ピッキングや物流倉庫の確保といった在庫管理が複雑になります。また商品の配送・在庫の保管・検品にはコストがかかるため、費用や人的コストの面で問題が生じかねません。

EC物流は、1つのミスが重大な損失につながります。誤出荷のトラブルは個人情報の問題もあり、企業の信用を失う恐れがあります。

EC物流が抱える課題の改善方法

以下は、EC物流が抱える課題の改善方法です。

  • オペレーション・作業フローの見直し
    作業量が多いEC物流では、現場の負担が重くなりがちです。作業フローを見直し、工程の無駄を改善すると、倉庫業務が円滑に進みます。誰が作業しても一定の品質を保つためには、現場のヒアリング調査を行い、ルールやマニュアルを作成する方法がおすすめです。
  • 物流代行サービスの活用
    物流を外注するのも、EC物流の課題を解決する方法の1つです。ノウハウのある物流アウトソージングに物流業務を委託することで、自社では経営管理の向上や商品のクオリティを上げる取り組みに集中できます。
  • IT・AIサービスの導入
    倉庫管理システム(WMS)や倉庫ロボットといったIT技術によって、EC物流の効率がアップします。また、人工知能を用いたAIサービスでは、最適な仕入れ量や人員配置の予測が可能です。

配送においては、いくつかの企業が連携して商品を輸送する「共同配送」も、配送効率を向上させる取り組みとして注目されています。

まとめ

EC業界への参入を検討する場合は、EC物流の特徴や業務内容・仕組みなどについて理解を深めることが重要です。商品のギフト対応やスピーディな配送、受け取り方法の豊富な選択肢が求められるといった特徴を理解するだけでなく、EC物流ならではの課題にも目を向ける必要があります。

オペレーション・作業フローの見直しや物流代行サービスの活用、IT・AIサービスの導入などを検討して、EC物流が抱える課題の改善を目指しましょう。

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