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OMSとは?意味や物流管理で重要な理由・WMSとの違いを解説

  • #EC物流
  • #発送代行

2024.04.01

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OMSは、商品の注文を受けてから出荷するまでの業務を効率化するシステムのことです。受注管理の効率化だけでなく、ヒューマンエラーに伴う作業ミスやトラブルの減少、さらに人件費の削減といったメリットがあり、EC業界を中心に多くの企業で導入されています。

しかし、OMSには注意点とも言えるデメリットが存在するほか、導入前にはいくつかのポイントを押さえておくことも大切です。

そこで今回は、OMSの概要や基本的な機能からメリット・デメリット、さらに重要性、導入前に押さえておくべきポイントまで詳しく紹介します。受注管理業務の自動化・効率化を図りたいEC事業者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

OMSとはどのような意味?

OMSとは、「Order Management System(オーダーマネジメントシステム)」の頭文字をとった略称で、商品の受注から出荷までを自動かつ一括で管理できるシステムのことです。

OMSは、EC業界ならではの幅広い業務の効率化が期待できます。例えば、ECサイトから商品の注文を受けたとき、どの拠点にある在庫から商品を出荷・配送すべきかの最適解をスムーズに導き、自動的に実行指示を出してくれます。メインとなる機能は、「複数ショップの受注ステータスを一元管理し、受注処理業務を効率的に行う機能」です。ほかには、在庫管理や出荷管理、顧客管理なども行えます。

また、複数のECサイトを運営している場合や、ECサイトだけでなく実店舗も経営している場合でも、注文情報や在庫情報を1つのOMSにまとめて管理することが可能です。

WMSとの違い

OMSと混同されやすいEC運営者向けのシステムとして、「WMS」が挙げられます。

WMSは、「Warehouse Management System(ウェアハウスマネジメントシステム)の頭文字をとった略称です。日本語では「倉庫管理システム」と呼ぶことからも分かるように、WMSは倉庫内における商品の入庫や検品、保管(ロケーション)、ピッキング、出荷作業に関する情報のみが管理対象となります。

対して、OMSはECサイトで受けた注文の管理から商品の在庫管理、顧客からの入金確認までのすべてを管理します。このように、OMSとWMSは「管理する情報の範囲」に大きな違いがあることを覚えておきましょう。

EMS・WES・WCS・TMS・ERPとの違い

OMSと名称が似たシステムには、WMS以外にもEMS・WES・WCS・TMSなどさまざまなものがあります。それぞれの概要は、以下の通りです。

  • EMS(Execution Management System)/取引執行管理システム
    EMSとは、EC業界や物流業界ではなく金融業界で主に使用されるもので、証券の取引執行、いわゆる「トレーディング業務」をサポート・管理するシステムです。
  • WES(Warehouse Execution System)/倉庫運用管理システム
    WESとは、倉庫内の作業員や設備などを総合的に管理・制御するシステムであり、倉庫内の在庫管理や入庫、ピッキングなどの作業データをリアルタイムに把握できます。
  • WCS(Warehouse Control System)/倉庫制御システム
    WCSとは、倉庫内における設備の制御に特化したシステムです。主にマテハン設備やIoT機器を遠隔制御し、適切なタイミング・スケジュールでの入出庫をサポートします         
  • TMS(Transport Management System)/輸配送管理システム
    TMSとは、注文を受けた商品の配送に関連する作業に特化したシステムです。配車管理や進捗管理、実績管理といった機能が搭載されており、配車業務の標準化・配送状況の可視化を実現できます。           
  • ERP(Enterprise Resource Planning)/企業資源計画
    ERPとは、会計・人事・生産・物流・販売といった企業の基幹となる業務を統合して、情報の一元化を図るシステムです。日本語では、「基幹システム」「統合基幹業務システム」とも呼ばれています。 

上記のうち、物流・EC業務でよく導入されるシステムは「WES」「WCS」「TMS」の3つです。OMSはECサイトにおけるオーダー管理がメインとなることに対し、WES・WCSは倉庫管理、TMSは輸配送管理がメインとなるため、それぞれ異なる目的をもって導入されるシステムである点も覚えておきましょう。

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OMSの基本的な機能

OMSの主な用途は理解できているものの、具体的にどのような機能が搭載されているかは分かっていないという方も多いでしょう。

ここでは、OMSの基本的な機能をそれぞれ詳しく紹介します。

受注管理 ECサイトや実店舗からの受注情報を一括で処理・管理する機能です。注文情報の不足をまとめて確認できるほか、受注情報の変更やキャンセルも行えます。
商品管理 販売商品の名称・番号といった情報を管理する機能です。複数の販売チャネルにおける一括割引や商品台帳のインポート・エクスポートも行えます。
出荷管理 注文に応じて商品の出荷を指示する機能です。OMSによっては、納品書や売上伝票の作成・ピッキングや梱包方法の指示・出荷実績の登録も行えます。
在庫管理 商品の出入庫による在庫の変動を自動で計算し、商品を過不足なく供給できるよう在庫数を適正に調整する機能です。受注管理機能や倉庫管理機能とのシステム連携によって、物流業務を一括管理できるOMSが増えています。
顧客管理 複数チャネルにおける顧客情報の記録や、顧客ごとの注文履歴を管理できる機能です。ほとんどのOMSには、マーケティングに活用できる顧客データの分析機能も含まれています。
見積管理 見積書の作成や、過去に作成した見積書を管理できる機能です。卸売やBtoBの場合に役立つ機能となっています。
入金送金管理 顧客からの入金の確認や督促のほか、返金の管理ができる機能です。基本的にECサイトはインターネット上での決済が基本となるため、入金送金管理機能は極めて重要な機能と言えるでしょう。

 

中には、上記の基本的な機能のほか、「お礼メールの自動送信機能」や「会計システム・金融機関と連携した会計管理機能」などが搭載されているケースもあります。このように、具体的な機能はOMSによって細かに異なるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。

OMSを導入するメリット

EC業界の幅広い業務をサポートできるOMSは、数多くの導入メリットがあります。特に代表的なメリットとしては、下記の4つが挙げられます。

  • 情報の一元管理により業務効率が向上する
  • ヒューマンエラーに伴うトラブルが減少する
  • 人件費の削減につながる       
  • 在庫切れによる機会損失を防げる

ここからは4つのメリットをそれぞれ詳しく紹介するため、OMSの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

情報の一元管理により業務効率が向上する

ECサイトを運営するにあたって、商品情報の登録・更新はもちろん、受注情報や出荷情報、さらに顧客情報の管理は欠かせません。

1サイトのみの管理でも多くの手間をとられることを考えると、実店舗の運営によって複数の販売チャネルをもっている場合、さらなる業務負担の増加も容易に想像できるでしょう。

しかし、OMSを導入すれば「複数の販売チャネルをまたいだ情報の一元管理」が可能となります。販売チャネルごとに情報を登録・確認・更新する手間が省け、受注業務から出荷業務までの効率も大幅にアップするでしょう。

ヒューマンエラーに伴うトラブルが減少する

OMSを導入しない場合、ECサイトと商品を保管する倉庫との自動連携がとれないため、システムごとの担当スタッフが個別に管理しなければなりません。

このような「人手に頼る作業」は、担当スタッフの習熟度によって精度が左右されやすく、属人化が発生するケースも多くあります。ヒューマンエラーを100%防止するのは難しく、作業ミスによって顧客とのトラブルが発生するリスクも少なからず伴うでしょう。

しかし、OMSを導入すれば人手による作業工程を軽減させられ、ヒューマンエラーに伴うトラブルの抑止や担当者の作業精度の向上につながります。

人件費の削減につながる

OMSを導入して人手に頼った作業工程を省くことで、結果的に人件費や作業コストの削減も実現できます。毎月のランニングコストを削減できる点は、経営者にとって極めて大きなメリットと言えるでしょう。

また、単純に人員を削減するのではなく、バックオフィス業務で減らした分のリソースをより注力したい業務に割くことも可能です。「これまで販売サイトの受注情報管理を担当していた社員を、より重要なマーケティング部門に配置する」という方法は、OMSを導入した企業のよくある例となります。

在庫切れによる機会損失を防げる

ECサイトを運営している限り、商品は24時間365日注文されます。販売在庫状況を常に、かつ適切に把握しておかなければ、在庫数以上の注文を受けてしまう可能性もあるでしょう。

注文後の欠品は、お店に対する顧客からの信頼を失いかねません。モール型ECサイトを含む複数サイトを運営していたり複数店舗を経営していたりと、販売チャネルが多いほど在庫管理の重要性は特に高まります。

OMSを導入すれば、複数の販売チャネルをまたいだ商品・在庫の情報を一元管理できるため、品切れの発生を防止することが可能です。結果として、顧客からの信頼低下も防げるほか、将来的なLTV(ライフタイムバリュー)の向上にもつながるでしょう。

OMSを導入するデメリット

OMSの導入メリットだけに着目すると、後に思わぬトラブルが生じることによって導入効果をしっかりと得られなくなる可能性があります。OMSの導入を考えた際は、デメリットもふまえて慎重に検討しましょう。

ここからは、OMSの導入によって考えられるデメリットを3つ紹介します。

導入・運用にコストがかかる

基本的にOMSは、外部ベンダーが提供するものを利用します。そのため、初期コストとランニングコストが必要となる点を覚えておきましょう。

導入・運用にどれくらいのコストが必要となるかは、OMSによって異なります。導入費用を抑えたい場合は、初期費用を無料としているOMSを選ぶとよいでしょう。また、ランニングコストは「月額固定プラン」と「基本料金+従量課金制」の2つのプランを選択できるケースが多く、取り扱う商品数やカスタマイズする機能によっても具体的な費用は変動します。

自社でECサイトを運営する場合は仕様に合わせたカスタマイズが必須となるため、初期コストやランニングコストが高くなりやすい傾向です。加えて、システムのバージョンアップや従業員の増員によるアカウント追加にも随時費用が発生することを覚えておきましょう。

業務フローの見直しが必要になる

新たなOMS導入によって、これまで習慣化されていた業務フローは一新されます。こうした業務内容の見直しは、従業員にとって少なからず負担となることも念頭に置いておかなければなりません。

また、業務フローの見直しにおいて特に重要なのが「マニュアルの再設計」です。OMSによって新しい仕組みが導入されたにもかかわらず、マニュアルが過去の業務フローのまま変更されていなければ現場に混乱が生じ、かえって作業ミスが増加する可能性もあります。

従業員にとって、既存の業務フローから新たな業務フローへと慣れるのは決して簡単ではありません。こうした点も加味して、導入直後は従業員への教育時間も確保しておくとよいでしょう。

システムに詳しい管理担当者が求められる

あらゆる販売チャネルにおける受注・在庫・出荷状況を一括で管理できるOMSは、バックエンドで各システムを密に連携させつつ、管理画面上でシンプルかつ正確に把握できる仕組みとなっています。連携しているシステムにトラブルが生じた場合、そのほかのシステムも連鎖的にエラーが生じる可能性もあります。

たとえ外部ベンダーが提供するOMSであっても、基本的なトラブルの一次対応はクライアントに求められるケースが多く、ある程度のトラブルシューティング体制を整えることが大切です。

そのためには、ITリテラシーの高い管理担当者が不可欠です。「システムに詳しい管理担当者を新たに採用する」、または「既存社員をシステム管理担当者として教育する」の2通りが基本ですが、いずれもコストがかかる点に注意しておきましょう。

EC運営でOMSが重要とされる理由

EC運営においてOMSが重要視される最大の理由は、「事業拡大や多店舗展開を楽にするため」です。

インターネットが普及し、性別・年齢を問わず幅広いユーザーがECサイトを利用して買い物をするようになった近年、EC事業に力を入れる企業も増加しています。EC事業を初めて展開する場合、まずは楽天市場やAmazonなどの大手ECモールに出店し、ある程度軌道に乗ってから自社ECサイトを構築して事業拡大を図るケースがほとんどでしょう。

まだ大手ECモールにしか出店していない場合、「今は販売チャネルも受注量も少ないからOMSを導入する必要がない」と考える方も多くいます。しかし、将来的に事業拡大を見据えているのであれば、「今のうちにOMSを導入しておこう」と考えるほうが正解です。

EC運営における販売チャネルを複数もてば、当然ながら受注量・物流はその分増加します。商品・出荷の管理作業に追われると、それ以外の作業に手が回らなくなり、OMSをはじめとしたシステム導入による業務変革にも多大な労力が必要となるでしょう。

しかし、事業規模がさほど大きくない段階でOMSを導入して業務フローを確立しておけば、たとえ事業拡大を図っても作業内容は大きく変わらず、社内リソースが圧迫されることもなくなります。

EC事業の拡大を見据えている方にとって、早い段階でのOMS導入は「将来的な手間とコストの削減」に大きくつながると言えるでしょう。

OMSを導入する際に押さえておきたいポイント

OMSを導入する際は、以下2つのポイントを押さえておきましょう。

既存システムと連携可能か
OMSを選ぶ際は、「自社が利用している既存システムと連携できるか」の確認が必須です。OMSで管理できる情報の範囲は多岐にわたるため、連携可能な既存システムが多いほど業務効率化が期待できます。
また、既存システムと連携できる場合でも「どのような方法で連携できるか」までチェックしておきましょう。効率化を重視するのであれば、CSVでの手動入力による連携ではなく、API接続での自動連携ができるOMSがおすすめです。

 

現場のスタッフが使いこなせるか
たとえ機能性の高いOMSを導入しても、現場のスタッフがうまく使いこなせなければ導入効果は得られません。そのため、スタッフのリテラシーレベルに応じたOMSを選定したり、システムに詳しい管理担当者を確保したりする必要があるでしょう。
また、OMSの使い勝手は実際に使用してみなければ分からない部分でもあります。ベンダーによっては無料トライアルとしてお試し期間が設けられているため、本格的に導入する前に一度利用してみるのも一案です。

 

OMSは、提供するベンダーによって機能性や価格、サポート力が異なります。システムに詳しいスタッフが現場に少ない場合は、万が一のトラブルに備えてサポート体制の整ったOMSを選ぶこともポイントです。

また、OMSを選定する際はあらかじめ「実際の使用シーン」を想像しておきましょう。導入したOMSをどのように活用するかを考えておくことで、求めるシステムの仕様やカスタマイズ、既存システムとの連携方法が自ずと見えてきます。

気になるOMSをいくつかピックアップし、必要に応じて無料トライアルを試しながらじっくりと比較検討しましょう。

また、OMSによっては初期設定の代行サービスを提供しているケースもあります。導入までのスケジュールがタイトだったり、導入時に十分なリソースを割くことが難しかったりする場合は、設定代行サービスの活用も視野に入れておくとよいでしょう。

まとめ

OMSとは、商品の受注から出荷までを自動かつ一括で管理できるシステムのことです。

EC運営におけるOMS導入には、作業効率化やコスト削減をはじめとしたメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。OMSの基本機能はもちろん、メリット・デメリットをふまえた上で自社に適したOMSを選定しましょう。

物流倉庫会社の「株式会社清長」が運営する中小EC向け物流サービスの「ロジモプロ」は、複数のOMSとの連携が可能です。

【「ロジモプロ」と連携可能なOMSサービス一覧】

EC事業の展開や拡大を検討している方は、ぜひOMSの導入に合わせて発送代行サービス「ロジモプロ」をご検討ください。

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