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適正在庫とは?計算方法・安全在庫との違いも解説

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2024.05.10

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適正在庫とは、企業が運営する上で非常に重要な概念です。適切な在庫量を見極め、維持することは、余剰在庫や欠品といった問題を防ぎ、経営効率を大幅に向上させることに寄与します。

欠品による機会損失を避け、同時に在庫コストの削減を目指すために、どのように適正在庫を計算し維持するかは、あらゆる業種において切実な課題です。

この記事では、適正在庫の基本や安全在庫との違い、適正在庫の計算方法、さらに適正在庫を維持するための効果的な戦略までを詳しく解説します。

適正在庫とは?

適正在庫とは、欠品を出さず余剰在庫にもならない最適な在庫量のことです。

適正在庫を維持する目的には、おもに2つあります。1つは欠品による機会損失を防ぐためです。欠品すると販売機会を失うだけでなく、顧客の購買意欲を削いでしまい、売り上げが伸びない恐れもあります。

2つ目の目的は、余剰在庫を減らして経営効率を上げるためです。在庫数量が多すぎると、広い保管スペースが必要になったり、在庫管理業務が煩雑になったりと、経営効率が悪くなるリスクがあります。適正在庫数を維持することは、管理コストを最小限に抑え、利益最大化を目指すために重要です。

適正在庫と安全在庫の違い

安全在庫とは、欠品を防ぐために必要な最低限の在庫量のことです。商品の需要は季節や流行に左右されるため、変動する需要に柔軟に対応するために安全在庫を設けます。

安全在庫と適正在庫の大きな違いは、安全在庫が在庫の下限値のみを設定する一方、適正在庫は在庫量の下限と上限両方を定める点です。安全在庫が在庫量の最低ラインを表し、適正在庫は理想的な在庫量の範囲を表しているため、両者の違いを正しく理解して在庫管理に役立てる必要があります。

参考記事:余剰在庫とは?発生する原因や過剰在庫・滞留在庫との違いを解説
参考記事:滞留在庫とは?余剰在庫との違い・対処法を詳しく解説

適正在庫の計算方法

適正在庫の計算方法にはさまざまな種類があるため、それぞれの特徴をふまえて自社に適した算出方法を選択しましょう。

それでは、代表的な4つの適正在庫の計算方法や考え方について、詳しく解説します。

「安全在庫+サイクル在庫」による適正在庫の計算

広く使われている適正在庫の計算式は以下の通りです。

適正在庫=安全在庫+サイクル在庫
安全倉庫とは
通常在庫に加え、需要変動を考慮した在庫量の下限で、以下の計算式で求められます。
安全在庫=安全係数(1.65)×使用量の標準偏差×√(発注リードタイム+発注間隔)
※使用量の標準偏差:過去の販売量や出荷量の平均値
※発注リードタイム:発注から納品までの日数
※発注間隔:発注と発注の間の日数

 

サイクル在庫とは
発注と次回発注の間に消費された在庫の半分のことです。例えば、発注を2週間に1度のペースで行う場合、1週間経過した時点で売れた量がサイクル在庫となります。


安全倉庫とサイクル在庫のいずれも基準値がありますが、
季節や流行の影響をふまえた予測が必要です。在庫量の予測にはある程度経験が必要なため、難易度が高く、属人化しやすいという特徴があります。

需要数による適正在庫の計算

店舗を中心に現場でよく用いられており、需要数をもとに以下の計算式で求められます。

適正在庫=一定期間の需要数+安全在庫数

一定期間の需要数とは、1週間や10日など決まった期間に必要となった在庫数のことです。需要数を把握するためには、前年度や過去数か月分のデータを収集し、平均値を算出する必要があります。

「一定期間の需要数+安全在庫数」で計算するため、欠品リスクが低いことがメリットです。ただし、予想よりも売り上げが低迷した場合、余剰在庫が増えるというデメリットもあります。需要数は変動するため、過去の在庫データを参照しつつ、市場の動向を見るといった柔軟な対応が求められる手法です。

在庫回転率・在庫回転期間による適正在庫の計算

適正在庫量かどうかを経営的観点から確認する指標として、在庫回転率と在庫回転期間があります。在庫回転率は、決められた期間で在庫がどれくらい入出庫したかを表し、以下の計算式で算出します。

【金額で求める場合】
在庫回転率=年間または月間の売上原価 ÷ 平均在庫金額

※売上原価=期首在庫金額+仕入れ在庫金額–期末在庫金額
※平均在庫金額=(期首在庫金額+期末在庫金額)÷2

【数量で求める場合】
在庫回転率=出庫数÷平均在庫数

※平均在庫数=(期首在庫数+期末在庫数)÷2

たとえば、年間の在庫回転率が12であれば、1か月に1回在庫が入れ替わったという意味です。回転率が高いほどよく売れており、適正在庫が保てていると言えます。

一方の在庫回転期間とは、入出庫に要する日数を表し、次の計算式で求められます。

在庫回転日数=日数÷在庫回転率

たとえば在庫回転率が12、年間を基準にして算出する場合、在庫回転日数は「365÷12=約30日」です。在庫回転日数が短いほど短期間で売れていることを示し、在庫数が適正化されていると分かります。

在庫回転率や在庫回転日数の平均値は、業界や会社規模によっても異なるため明確な基準がありません。会社全体として在庫情報を確認できる点はメリットですが、計算式が複雑で算出に手間がかかる点をデメリットに感じる場合があります。

交叉比率による適正在庫の計算

交叉比率とは、在庫がどれほどの粗利益を挙げているかを見る指標です。交叉比率を用いた適正在庫の計算は、以下の順番で進めます。

1 交叉比率=在庫回転率×粗利益率
2.在庫回転率=交叉比率÷粗利益率
3.適正在庫金額=売上目標÷在庫回転率

まず交叉比率を計算し、その後に目標とする在庫回転率を求めます。算出された在庫回転率と売上目標を使って計算すると、適正在庫の金額が分かります。

たとえば、交叉比率が50、粗利益率が10の商品の場合、在庫回転率は5となります。売上目標が500万円であれば、適正在庫金額は100万円となります。

適正在庫を維持するためには?

適正在庫の維持は、在庫管理のコスト削減や業務効率化、顧客満足度の向上にもつながります。しかし、適正在庫を維持し続けることは簡単ではないため、多くの企業が課題に感じる部分でもあります。

ここでは、適正在庫維持に効果的な取り組みを3つ紹介します。

発注点の管理徹底

発注点とは、在庫がある一定の水準を下回り、新たに発注すべきタイミングのことです。発注点の管理を適切に行うことで、在庫不足や余剰在庫のリスクを避けられます。

また、発注には以下の2通りがあり、商品特性や人員数などを考慮して最適な発注方法を選ぶことが大切です。

定期発注方式
「毎月1日」のようにあらかじめ発注する日程が決まっている発注方式です。発注のタイミングは決まっていますが、発注数はその都度設定しなければなりません。毎回しっかり需要予測を行いたい、重要商品に対して用いられます。

 

定量発注方式
決められた在庫量を下回った時点(発注点)で、一定量の発注を行う方式です。発注タイミングにばらつきがありますが、発注量は一定のため、需要が一定で売上も安定的な商品に向いています。


適正在庫を維持するためには、発注管理について見直し改善していくことがポイントとなります。

需要予測の精度向上

適正在庫を保つためには、必要な在庫量の予測が必要です。需要予測には、市場動向や季節変動などの要因を分析するほか、統計データから予測を立てることもできます。統計データを使用する際は、前年の同時期の需要や、過去の販売実績の平均値などを参考にしましょう。BtoBであれば、直接クライアントに聞くのも1つの方法です。

ただし、人が行う需要予測は経験則に頼って属人的になる傾向があります。需要予測の精度向上のためには、在庫管理システムの活用がカギとなるでしょう。

リードタイムの短縮

リードタイムの短縮も適正在庫の維持に効果的です。リードタイムとは作業の始まりから終わりまでにかかる時間のことで、調達リードタイムや出荷リードタイム、製造リードタイムなどがあります。

製品の生産に要する日数を表す製造リードタイムが長いと、欠品時に顧客を待たせる可能性があり、販売機会を逃すリスクが高まります。欠品を恐れて、多くの在庫を抱えることにもなりかねません。

調達や物流のリードタイムは調整が難しいため、まずは自社でコントロールしやすい製造リードタイムの短縮に注力しましょう。

まとめ

適正在庫の維持は、企業が直面する多くの挑戦の中でも特に重要な位置を占めています。適正在庫を適切に管理することで、企業は在庫コストを抑えつつ、顧客満足度を高めることが可能です。

適正在庫の計算方法は複数種類あるため、企業の目的や状況に適した方法で管理をしましょう。
また、発注点の管理、需要予測の精度向上、リードタイムの短縮など、適正在庫を効率的に維持するための方法は多岐にわたります。各企業が自社に合った最適な方法を見つけ出し、実践することが成功への鍵となるでしょう。

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