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入庫とは?入荷との違い・作業効率化の方法も解説

  • #EC物流
  • #発送代行

2024.04.01

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物流業において正確な入庫業務は、後工程におけるミスを防ぎ、業務を効率化するのに特に重要です。反対に入庫の際にミスがあると、誤出荷や欠品につながり、顧客の信頼を失う恐れがあります。一方で、倉庫業務では似た言葉として「入荷」があり、違いがよく分からないと感じる方もいるでしょう。

この記事では入庫と入荷の違いや、入庫の重要性、入庫業務における課題、効率化の方法について解説します。入庫についての基礎知識を得たい・入庫作業を効率化したい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

 入庫とは

入庫とは、受け取った荷物を伝票と照合し、倉庫内の所定の置き場所(ロケーション)に格納、在庫として計上する業務のことです。

倉庫内では、入庫される商品ごとにあらかじめロケーションが決められている(※)ため、入庫する際にミスがあると、その後のミスの誘発につながります。物流プロセスにおいて、入庫は非常に重要な業務と言えます。

※後述しますが、商品ごとに置き場所を定めないフリーロケーションという方式もあります。

入庫と入荷の違い

入荷とは、物流倉庫に届いた商品を受け取り、納品書の品番と照らし合わせて検品・検収することです。「入荷」と「入庫」は似た言葉のため混同されがちですが、意味は異なります。

入庫は在庫管理の一環であるのに対し、入荷は物流システムの一部です。入荷した商品を、倉庫内のロケーションに格納することで入庫となるため、入荷とは入庫をする際の前段階の業務と言えます。

入荷および入庫業務の順序は、以下の通りです。1~3が入荷、4~6が入庫業務に分類されます。

【入荷】

商品と納品書を仕入れ先から受け取る
品番や数量をチェックする
商品の状態をチェックし、伝票を発行する

 

【入庫】

発行された伝票と商品を突き合わせる
商品を倉庫の所定のロケーションへ格納する
在庫状況を伝票に記録する

 

つまり、入荷作業が正しく行われて初めて、入庫作業に移れます。

入庫の重要性

入庫が物流システムの流れにおいて非常に重要な業務です。些細なミスが原因で入庫が正しく行われなければ在庫管理に狂いが生じるため、後工程をスムーズに進められません。

たとえば、商品の保管場所を間違った場合、誤出荷が発生するなどして顧客満足度の低下につながるおそれがあります。また、在庫数にミスがあると、誤発注や在庫切れが起こり得ます。

物流の在庫管理において、入庫は最重要の業務といっても過言ではありません。入庫業務は商品を保管する一連の作業のため、それぞれの工程で正確な手順と管理が求められます。

入庫業務に関する課題

物流の現場では、業務の多くを人力に頼らなくてはなりません。そのため、どうしてもヒューマンエラーによるミスが発生する点が課題です。

以下では、入庫業務で発生しやすいヒューマンエラーに起因する課題のうち、代表的なものを3つ解説します。

在庫差異が発生すること

ヒューマンエラーによって生じる代表的なミスが、「在庫差異」です。在庫差異とは、システム上の在庫数と、実際の在庫数が合わないことで、結果として欠品や余剰在庫の原因となります。

在庫差異は、以下のタイミングで発生します。

  • 商品の検品ミス
    検品の際に数量を十分に確認しなかった、あるいは数え間違った結果、記録された在庫と実際の在庫に差異が発生します。
  • 伝票の記載ミス
    入庫後に製品の数量をシステム登録する際に、勘違いや打ち間違いなどが理由で在庫に差異が生まれます。
  • 管理ルールの不足
    ルールやマニュアルに不足があり、現場の裁量で判断する部分が多いと判断ミスにより在庫差異が発生します。例えば、売り上げの繰り上げや繰り越しについてルールがない、仕掛品が計数の際に商品と区別されていないなどは在庫差異のよくある原因です。

日々同じ作業を繰り返しながら、集中力を保つのは困難です。疲れていたり、ストレスが溜まっていたりすると、どうしてもミスが起こりやすくなります。また、分かりづらいルールのもと業務を行っている場合や、特殊な状況にマニュアルが対応していない場合も、判断ミスにより在庫差異が生まれます。

作業に慣れているとしても、二段階チェックを怠らない、マニュアルを作りこんで標準化を徹底する、などの対策によりケアレスミスや判断ミスを防ぐことが重要です。

保管場所のミスが起こること

商品を誤った場所に保管してしまうことも、入庫業務における課題の1つです。どうしても似ている商品を同じ場所に格納してしまったり、同じ商品があちこちに格納されたりというミスが起こりがちです。特に似たような外観や名前の商品が隣り合って置かれている場合はヒューマンエラーが起きやすくなります。また、ピッキングエリアが確保されておらず、入庫予定の商品があちこちに散らばって置かれている場合も、保管場所のミスの原因です。

格納場所を間違えると、ピッキング時に商品が見つからないため、時間のロスにつながり、作業効率が低下します。また、顧客へのサービスが遅れるだけでなく、誤出庫といったトラブルが発生し在庫管理が狂うことで、過剰在庫や欠品などの問題も生じます。

保管場所のミスを防ぐには、倉庫全体の整理整頓やロケーションの最適化が効果的です。

業務が属人化しやすいこと

入庫業務に関する課題として、業務の属人化が挙げられます。属人化とは、業務の内容や進捗状況を、特定の社員しか把握していない状況のことです。特定の個人に依存すると、担当者が不在の場合や退職した場合は誰も対応できないため、業務が停滞します。また、業務がブラックボックス化してチーム内での協力や連携が難しくなり、チームワークが阻害される点も問題です。

業務を標準化するためには、業務内容の洗い出しやマニュアルの整備などが必要不可欠です。すべてのスタッフでノウハウとルールを共有し、誰もが理解している状況をつくらなければなりません。

入庫作業を効率化する方法

入庫作業のミスを防ぐには、効率的に入庫作業ができる環境を整えるのが大切です。非効率的な作業が常態化していると、余分に時間的・人的コストがかかるだけでなく、無駄な工程によりヒューマンエラーのリスクが増加します。

入庫作業を効率化する方法の中から、代表的なものを4つ紹介します。

倉庫を整理整頓する

ラベリングや仕切りを活用して倉庫を整理整頓すれば、目的の商品を迅速に見つけられ、業務効率化につながります。在庫管理が正確に行われ、迅速かつ正確に商品を出荷できるため、顧客からの信頼も獲得できます。

また、物が散乱して通路がふさがれた倉庫では、転倒や事故のリスクが高まるため、スタッフの安全確保のためにも整理整頓は重要です。整理整頓された倉庫環境は、作業効率の向上はもちろん、スタッフの精神的な安定・モチベーションアップにもつながります。

ロケーションを最適化して管理する

入庫業務を行う際に動線を踏まえたロケーション管理をすることは、非常に重要です。商品を回転率が高い順にエリア分けするなどの工夫をし、類似商品は分離して保管すれば、混乱を防げます。

ロケーション管理にはABC分析を活用するのがおすすめです。ABC分析とは商品を重要度の高い順に、A・B・Cの3つに分類する分析方法です。在庫を切らせてはならない重要商品から順番に3つのランクに分け、Aランク商品はピッキングしやすい場所に配置すれば、ピッキング作業を効率化できます。

商品の配置場所を明確にしたマップを作成し、常に更新したものをスタッフ全員で共有できれば、ピッキングの際の時間のロスもありません。

フリーロケーションを設定する

商品の中には、一時的に出荷が増えるものや、特定の季節のみ出荷するものがあります。このようなイレギュラーな商品の入庫については、保管場所を決めていないフリーロケーションを設けて保管することが大切です。

フリーロケーションを設けることで、都度空いている棚を探さなくてよいため、作業効率を維持できます。また、スペースを最大限活用することで倉庫内の収容量を最適化し、正確な在庫数も把握しやすくなります。

3PLを導入する

3PLとは「サード・パーティ・ロジスティクス」の略で、物流の専門業者へ物流部門をアウトソーシングすることです。

3PLのメリットは以下の通りです。

  • コストを削減できる
    自社で物流部門を抱える必要がなくなり、物流部門のコストをコア事業に振り分けられるため、企業全体のコスト削減につながります。
  • 品質を向上できる
    3PL業者は物流の専門家であり、効率のよい入出庫業務や配送業務が可能です。在庫管理業務まで委託できる業者であれば、不良在庫の発生率も下げられ、物流業務全般の質の向上につながります。

3PLの導入によって自社で物流業務を行う必要がなくなるため、コストの削減と品質の向上がかないます。

まとめ

入庫業務でヒューマンエラーが起きやすい環境を放置すると、在庫差異や保管場所のミスにつながります。また、業務が属人化しやすくなり、チームワークが阻害される点も課題です。倉庫の整理整頓やロケーションの最適化、およびフリーロケーションの設定により、倉庫業務は効率化できます。

また、3PLを導入し、ロジモプロのような物流業者に業務をアウトソーシングするのも効果的です。ロジモプロは主に中小EC事業者向けの発送代行サービスです。初期費用・月額固定費は無料で、配送料、入庫料、保管料などはすべて使った分だけお支払いいただく完全従量課金制を取っています。EC・通販物流を18年以上続けてきた株式会社清長が運営しており、高品質なサービスを必要なだけ受けられる点がメリットです。

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